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住野よる「君の膵臓を食べたい」あらすじ感想:逃げ恥”平匡”で読む

こんにちは。昨晩10時頃から「君の膵臓を食べたい」を読み始め、一気読みして大泣きし盛大に寝坊したRIKKAです。

それもこれも旦那さんが置いていった本の中に、以前からタイトルと装丁のギャップが気になっていた「君の膵臓を食べたい」があり、ふと手にした次第ですが、とても読みやすいのでスラスラと2時間ちょっとで読んでしまいました。

あまりにさらりとしているので、浅いという感じもしなくもないですが、私にはこの題材を深く掘り下げないライトさがとても気に入り、ブログに書き残したいと思います。

2016年本屋大賞1位「君の膵臓を食べたい」あらすじ

 

 偶然、僕が病院で拾った1冊の文庫本。タイトルは「共病文庫」。

それはクラスメイトである山内桜良が綴っていた、秘密の日記帳だった。
そこには、彼女の余命が膵臓の病気により、もういくばくもないと書かれていて――。

病を患う彼女にさえ、平等につきつけられる残酷な現実。
【名前のない僕】と【日常のない彼女】が紡ぐ、終わりから始まる物語。
全ての予想を裏切る結末まで、一気読み必至!

(AMAZONより引用)

 これだけでは、よくわからないのでもう少しネタバレしない程度にあらすじを・・・

名前のない僕目線で語られる人との関わりで変わる心

【名前のない僕】は、この僕の目線から語られているため相手が思っているだろう自分へのイメージを【秘密を知っているクラスメイト】くんや、【地味で目立たないクラスメイト】くんとして語られます。

 

何故かというと、彼は友人もおらず、もちろん恋人のいない他人と関わらない内向的な性格で、積極的に関わろうともせず、そんな「ぼっち」の自分を自意識過剰に「特別」とも思っていません。淡々と自分の好きな小説を読み、愛する両親には安心させるために友達はいるとウソを言って、彼なりの誰にも心乱されない生活スタイルを好み、平穏を邪魔されるのを嫌います。

 

そんな彼と対照的な彼女は「膵臓の治らない病気を患っている」という不幸な現実とは、ほど遠いほど明るく表情豊かで、友人も多く時に強引で溌剌とした素敵な女の子が桜良という人物です。勿論彼氏がいたこともあります。

 

「偶然」知ってしまった重大な秘密を知っていても”普通”に接してくれる彼を桜良は気に入り、「死ぬまでにしたいこと」に強引に彼を付き合わせます。

 

彼女と接する事で、他のクラスメイトや親友・キョウコさんなどとも変わるようになり、生の感情に触れるようになり段々と考え方が変わっていく名前のない彼。完全自己完結型の人間であった彼が、桜良を必要とするようになっていくお話しです。

「君の膵臓を食べたい」感想:主人公は”逃げ恥”の平匡

ちょうど「君の・・・」を読む前に録画しておいた”逃げるは恥だが役に立つ”通称”逃げ恥”のエンディングに流れる恋ダンスをしていたからか、星野源扮する自称独身のプロ”平匡さん”に主人公を重ねました。

理由は3つ、まず主人公の名前が最後のほうまで明かされないから。次に他人と関わらないようにしている自己完結した人間。最後に理路整然としており頭が良い。この3つで私の頭の中では自動的に、主人公=星野源、桜良=新垣結衣、キョウコさん=やっさん。こんな感じで映像化。

まぁただ単に今「平匡旋風」が私の中で起こっているだけなんですけれどw本書の内容とは裏腹に脳内でずっとこのテーマソングが流れてました。

恋

  • 星野源
  • J-Pop
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

 

本題の感想・・・やや甘口

誰かが死ぬ話だなんて、絶対泣かせる話だと分かるし、冒頭で既にお葬式。

「ああ暗いのか!この話は」と思ったのは間違いで8割方、性格が真逆の高校生の男女が心を通わせていくピュア度120%のストーリー。これにどんどん吸い込まれていきます。テンポが良いので飽きません。

本人達、特に主人公の僕は桜良が死んでしまって「共病文庫」を読むまで、彼女と彼が同じようなお互いに思いを抱いていたことになっていたこと、彼女にとって自分がどんな存在なのか全く気付かないままの僕。彼女によって変えられていく自分・砕氷船のような彼女に対して「草舟」のような僕の目線が初々しく、本当の世界を初めて知った僕のような気持ちを追体験させられます。

 

そして、二人の会話が面白い。それに尽きます。

 

 

純愛と言ってしまっては、関係性を型にはめたくないヒロイン「桜良」に怒られそうですが、人と人との関わりをもう一度考え直したくなる・・・というのは大仰で、少しいまの日常の幸せを認識するきっかけになります。

 

ファンタジーではありませんが、雰囲気としては「君の名は。」に通じるものががあるかも知れません。来年にでもサラリと映画化しそうな内容。

 

私はこの自己完結型人間、他者との繋がりなしで成り立っている僕の魅力に「平匡さん」を重ね合わせているため、可愛くてしょうが無いのです。いちいち振り回されている、冷静に紳士でいようとする彼がとても素敵で、一つ一つの言葉が胸を捕まれました。まだ高校生だから時に感情的になるんだけど・・・そんな所も見所です。

 

もしかしたら、”逃げ恥”を見ていなかったらこんなに感情移入しなかったかもしれません。

 

逃げ恥の平匡さんファンだったら心グッと捕まれる「彼」ですよ。

ちなみに漫画も面白いです。

 

ちなみに彼の名前は最後のほうで明かされますが、最初のほうで有名な作家2人に似た名前とヒントが出てきます。

私は一人は当ってましたが、もう一人は違いました。間違った名前は伊豆の踊子の作者ですw

 

そして「君の膵臓を食べたい」の特徴は、ほとんど固有名詞が出てきません。出てくるのは太宰治、サンテグジュペリくらい。行った場所も特徴で、すぐに分かるのですが都市名などは全然出てきません。それは主人公の【名前のない僕】の考え方の特徴なんですね。名前そのものよりも、どう感じているかと言う点で捕らえているから簡単に名前を付けない。

相手がどう自分をイメージしているかわからない部分では【?????】という名前になったりさえします。【仲良し】くん、【根暗なクラスメイト】くん・・・色々彼が相手が自分をこう捕らえているであろうと分かっている部分に関してはきっちり、出てきます。

辛口批判への感想

アマゾンの評価をちらりと見ましたが、、、「ご都合主義」との批判が。たしかにそう見えますが、そこはファンタジーのようなものだと思って見ていればとても心に響きます。最近は難しい文章や特徴的な文体よりも、わかりやすく平易な表現が受いれられる傾向にあると思います。

「難しいことはやさしく、くだらないことは真剣に・・・」著名な方が、そんなようなことをおっしゃっていたのを頭によぎりました。

「君の膵臓を食べたい」を辛口批判される方は、しっかりした文体・構成、難しい文章や内容を読解する力がある方で、それを読み解くのが読書の醍醐味の一つとしている人のかなっと思います。

帯の煽り文句に問題があるのかもしれませんね。読解力の優れた方でしたら、裏切られる程の結末ではありません。伏線がわかりやすく張られていますから。

 

まとめ:売れる本に納得しました・・・そしてやっぱり号泣。

私は、読みやすい本も難しい本も好きです。その先にある琴線に触れるものがあれば・・・。小学生から大人の方まで、誰でも手にとって読んで何かを感じられる本書は、泣かせる本です。泣かせる訴え方をしてくるであろうとは思っていも号泣しました。

泣きたい方におすすめ。

 

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